第10章 あなたのためなら
その頃、ミーウはスレイジに慰められて泣き止んでいた。
「ごめんね、スレイジ……」
「いや、大丈夫だ。気にするな」
スレイジはミーウに優しく言った。
「……もうそろそろ戻るか」
スレイジは立ち上がった。
「うん……」
ミーウも立ち上がった。その時……。
ーミーウ。
「え……」
「どうした?」
スレイジはミーウを見た。
「……ううん」
ーキッドの声……?
ミーウはビブルカードを握り締めた。
ー会いてェな。
「!」
ミーウは首に掛かっているビブルカードを見つめた。
「ミーウ?」
「……何でもない……」
(キッドも……)
ー同じ気持ちなのかな?
ミーウはそう思いながら、スレイジとともに家まで戻った。
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