第10章 あなたのためなら
ミーウの頭の中にはちょっとした期待が横切った。
「……どんな風におかしいの?」
ーーミーウは自然系の悪魔の実の能力者だ。もし……キッドの食べた悪魔の実が自然系だったら、ミーウが悪魔の実を食べた時と同じようなことが起こるはずだ。ーーミーウの時はいきなり自分の周りの地面が凍り、空気中には氷の結晶のようなものが漂っていた。
「……なんか……自分の体に何かが吸い寄って来ているような気がするんだ……」
「……吸い寄って来ている……?」
ミーウはそれを聞いて、頭の上にハテナを浮かべた。
2人がそんな話をしていた、直後……。
「うわ!? 武器が!?」
「お、おれもだ!」
「何でだ!? 何で武器が浮いてるんだ!?」
「おい、どうなってんだ!?」
部下の男たちがいきなり騒ぎ始めた。
ミーウとキッドがその騒ぎを聞いて、上を見上げると……。
「……嘘でしょ……」
そこには宙に浮いている男たちの武器があった。剣や銃などがたくさん浮かび上がっている。
「……」
(まさか……)
ミーウは後ろにいるキッドを見た。
「……キッドの……能力……?」
次の瞬間、武器が男たち目掛けて降ってきた。
「な!?」
「うわー!」
「逃げろ! 逃げるんだ!」
男たちは逃げ惑った。武器はそれでも容赦なく、男たちを追い詰める。剣で斬りつけ、銃を撃つ。