第2章 幼き日の約束
「……みーつけた」
そのまま、ミーウは3人が隠れた方へ歩いて行った。
「……」
クザンは自分の使命を忘れて、呆然と少女の後ろ姿を見ていた。
(……まだ、9歳なのに……)
ーーもう、覇気を使いこなせている。早い。
「女王様が“見聞色”の覇気で人を探す方法を教えたのは、確か3ヶ月ほど前……」
ーーミーウは性格上、“見聞色”が苦手かもしれないと思った女王様が最後にじっくり教えようとしていたが……。
「誤解だったな」
ーーミーウには覇気に関する苦手はないらしい。彼女は最初に“武装色”の覇気を教えてもらい、その後“覇王色”の覇気が覚醒してからは“覇王色”の覇気を訓練し、最後に“見聞色”の覇気をじっくりゆっくり教えてもらっていた。
クザンは目を閉じて、女王と交わした会話を思い出した。
ーーミーウの5歳の誕生日の日の夜に、クザンは女王に部屋に呼ばれていた。
『ミーウにもうそろそろ覇気を教えようと思うの』
部屋に入って早々に、女王にクザンはそう言われた。
『だからクザン、お願いがあるの。ミーウに武術を教えてあげてもらえないかしら?』
『まだ5歳になったばかりのミーウに、そんな……』