第12章 ストーカー

私は、その当時、とある悩みを抱えており、心理カウンセリングを受けていた。
カウンセラーの女性は年の頃60歳になったばかりでとても良い先生だった。

名前を鈴木翔子と言った。
鈴木先生はカウンセリングの時、目いっぱい時間までじっくりと私の話しを聞いてくれた。

そして、残りの5分間に毎回話す事に対してのアドバイスをしてくれていたのだ。
そんな、鈴木先生にも私はタカシのことを相談していた。

もちろん、直樹との関係も相談していたのだ。
私は、直樹と出会ってからかなり精神的に良い方向に向かっていたのだ。

だが、タカシと関係を持ってからはちょっと精神的に不安定になっていた。
そんな私を見て鈴木先生はこう言ってくるのだ。

「タカシとはちゃんと別れないといけないわ。直樹くんと言う良い人がいるのだから…」

確かにそうなのだ。
私には、直樹と言う彼氏がちゃんといるのだ。

にも、関わらず私はタカシとの関係に溺れていた。
タカシのあのレイプまがいのセックスに魅了されていたのだ。

鈴木先生は尚もこう続けた。

「もう、タカシを家には入れてはいけないわ。分かった？」
「はい、分かりました…」

そう、答えたものの、私はタカシを家に入れないようにする自信はなかった。
私は、完全にタカシとのセックスに溺れていたのだ。

そんな、忠告を受けていたある土曜日の夜の事だ。
私は、鈴木先生からタカシと別れる様に言われてから居酒屋みゆきには行かなくなっていた。