第2章 居酒屋
「お姉さん、眼鏡外した方が可愛いじゃん?」
「え?そ、そうかな?」
私はちょっとしどろもどろになってそう答えた。
自分で言うのもおかしな話だが、私は40歳ではあったものの実年齢には見られたことがなかった。
きっとタカシは自分よりも年下だと思ったに違いなかった。
私の容姿はベビーフェイスで髪は肩まであるライトブラウンのストレートだった。
そして、丸眼鏡を掛けていたので余計に幼く見えたのだろう。
ママが聞いてくる。
「ちょっと飲み過ぎね、もう、帰った方がいいわよ…」
「そ、そうですか?」
私はそれを聞くとちょっとビックリしてしまった。
自分ではそんなに酔っぱらっているとは思えなかったからだ。
「家は近くだって言ったわよね?」
「はい、近くですけど…」
「じゃ、俺が家まで送ってやるよ…」
「え?」
私はそれを聞くとちょっと驚いてしまった。
タカシが家まで送ってくれるのだ。
嬉しくない訳がなかった。
「じゃ、お姉さん、一緒に帰ろうか?」
「う、うん、お願いします…」
私たち二人はそう言うと店を出て通りに出た。
本当に私の家は居酒屋みゆきから歩いて2~3分だった。