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愛欲と追憶の日々

第1章 プロローグ



家族と言えば飼い犬1頭と飼い猫2匹だけだった。
愛犬はカニーヘンダックスの女の子で名前をマルと言う。

愛猫2匹は女の子で名前をルルとララと言った。
その3匹と愛車を連れて、私は翔と一緒に暮らしていたマンションを後にしたのだ。

移り住んだ新居は翔と暮らしていたマンションからそんなに離れた場所ではなかった。
何故、そんなに近くに引っ越したのかと言うと、また翔のところに戻って来る予定だったからだ。

翔のマンションは横浜市の港北ニュータウンの一角にあった。
私が新しく引っ越した場所は港北ニュータウンの外れに位置していた。

引っ越し先は南向きのちょっと広めの平屋の一軒家だった。
広さは2DKの全面フローリングで6畳の寝室に6畳のリビングに6畳程のキッチンがあった。

もちろん、バス、トイレは別々だ。
家の裏手には小さな川が流れている。

しかし、人の人生とは実におかしなもので、離婚してから3か月と経たないうちに新しく私に出会いがあり、その男性と付き合う事になった。

その男性は私よりも4歳も年下の36歳の可愛らしいイケメン男子だった。
名前を佐伯直樹と言う。

前夫の翔と言い、出会ったばかりの直樹と言い、私は年下男子に縁があるらしい。
翔も私より4歳年下だ。

そして、タカシも4歳年下だったのだ。
翔と直樹との間に割り込むようにして入って来たのがタカシこと、井上隆志だった。

ここから、三角関係ならぬ、四角関係が始まったのだ。

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