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愛欲と追憶の日々

第4章 電話



そう、考えてしまった。
そこで、私はこうタカシに提案してみたのだ。

「じゃ、今度、私の家に飲みに来るといいわ…」
「え?お前の家にか?」

タカシはちょっと驚いている様子だった。
私は尚もタカシを誘った。

「いつ、来てくれるの?」

タカシは電話の向こうで考えている様子だった。

「じゃ、今度の土曜日の夜に行くから…」
「土曜日の夜ね、分かったわ…」

これから先、また連絡をする時、家電に掛けてこられても困ると思ったので、私はタカシに自分の携帯の番号を知らせた。

それを、電話の向こうでメモしているらしいのが分かった。
私は、タカシに何か酒のツマミを作ってやりたくてこう聞いた。

「タカシは食べ物は何が好きなの?」
「え?俺か?」

「そうよ…」
「そーだなぁ…」

電話の向こうで何やら考えている様だった。
私はこう提案してみた。

「中華とか好き?」
「あぁ、青椒肉絲が好きかな…」

(青椒肉絲か…)

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