第4章 電話
何故、タカシは私の家電の番号を知っているのだろう。
そう、思ってしまったのだった。
「タカシ?何故、私の家の電話番号知ってるの?」
「え?だって、この前、お前が俺の携帯に電話してくれたじゃん?」
まだ、付き合ってもいないし、セックスもしていない相手から自分をお前呼ばわりされたのは初めてだった。
そうなのだ。
確かにあの晩、私はタカシの携帯に電話を掛けたのだ。
その事をすっかり忘れていた私だった。
タカシとまたこうして話が出来る事に、私の心は躍った。
「タカシ、電話くれてありがとう…私、嬉しいわ…」
「そうか?」
ちょっと電話の向こうで照れ笑いしているのが分かった。
私は、タカシの声を聞くと会いたくて、会いたくて仕方がなかった。
「また、タカシに会いたいな…」
「そうか?」
「うん、また、店に行ってもいいかな?」
そう私が話すとタカシは少し考えている様だった。
「店には来ないでくれないか?」
「え?何故?」
「ママとかに知られるとマズイからさ…」
何故、そんなにもママに知られると困るのか私には理解できなかった。
では、どうしたら、また会えるのだろう。