第3章 Therapy2回目
「………ごめんなさい、ぐすっ……」
「謝ること何もないわ、自由にご自分を解放していただくのがこのサロンの目的なのだから。」
(…………解放……)
「…………話……聞いてもらえますか?」
「もちろんよ、レイナさんが話したいのなら。」
私はここ最近の自分に起きた不運を全部ぶち撒けた。あと、周りから勝手なイメージで人格を決めつけられてムカつきながらも結局そのとおりに行動しちゃってるジレンマとか。
Ranさんは批判したりアドバイスしてくることもなく、ただ黙って聞いてくれた。
「………少し喋りすぎですよね、私。ウザいですよね。あはは……」
私は照れ隠しにおどけてみた。
「全然気にしなくていいのよ、お茶のおかわり持ってくるわね。」
私は2杯目のハーブティーに口をつけて大きく息をついた。
「ふぅ…………」
「まだ時間あるから休んでいってね。」
と言ってRanさんはソファの肘掛けに置いていた私の左手を取った。白い綺麗なユビで手の平から二の腕に向かって何度かフワリと撫で上げ、またそっと肘掛けの上に戻した。
「じゃ、私は出ているから時間までごゆっくり。」
部屋の照明が落とされた。
私はソファに背中を預けると重みでリクライニングした。
心地良い角度に倒して目を閉じる。
微かに聞こえるBGMと妖しい香りに身を委ねた。
(さっきのRanさんの腕のマッサージ?
少しだったけどなんか……キモチ良かったな……)
知らないうちに私は深い眠りに落ちていた。