第3章 Therapy2回目
「玲奈はいいな、『清楚系』だもん。」
「いかにも『お嬢様』って感じ!」
「ラーメンなんて食うなよ。引くわ〜。玲奈はパスタとかスィーツが似合うって。」
「今日のスカート、短くない?玲奈らしくないよ〜」
――――『清楚系』『お嬢様』それがワタシ。
ミニスカートも履いちゃいけない。そんなワタシがこんなよく知らない所で裸でいるなんて!
ましてやオ、オナニーなんて!
パタン………
バスルームから出た私は着ていた服を着直していた。ブラウスのボタンは一番上までキッチリと止めて。
せっかく高級な香水の香りのするボディソープで洗ったカラダにまた汗臭い下着やストッキング、洋服を身に着けるのは気持ちが悪かったけど……
Ranさんはそんな私を見ても全く気にしていない様だった。
「そのまま、施術室(セラピールーム)へどうぞ。お茶を用意してあるわ。」
私は「帰ります!」と言えないまま促されて施術室のソファに座ってしまった。
(どうしよう、このままだと施術(セラピー)されてしまう!逃げなきゃ…………逃げる?会社から逃げてきてここからも逃げる?………どこに逃げるの?どこもないじゃない!)
そんな考えがアタマをグルグルして一人でパニックになった私はポロポロと涙を溢していた。
急に泣き始めた私にもRanさんは動じることはなくお茶を勧めた。
「施術前には少し「興奮作用」のあるハーブティーをお出しするんだけど、レイナさんには気持ちが鎮まるカモミールティーをご用意してて良かったわ。」
「あ、ありがとうござい……グスッ……ます。」
泣きながら啜ったお茶はほんのりと甘かった。
「安心して。何にもしないから。今日はお話しだけにしましょうね?」
Ranさんはフワリとベッドの上に腰掛けた。