第26章 【呪術廻戦】DOOR【3】
そして、手術が成功し今度は五条の番となった。
パソコンにコードを入力し、人間と機械の交信を始める。
自分の理論が正しければ、既に成功しているはず。
そう信じて。プログラムを打ち込み、最後のキーを押した。
「どうですか?」
「大丈夫です。私の理論が正しければ、既に終了しています」
「それじゃあ」
「蘇りますよ‼」
その言葉と同時に。
植物状態だったはずの彼が。
手術台に寝ていた彼の手が。
「先生……七海さんが……」
看護師のその声に。その場にいた全員が彼を見た。
微かに。
彼の手が。
動いている。
いや、手だけではない。
ゆっくりと、固く閉じられていたその瞳も開かれた。
心電図は、ちゃんと生きているという証が刻まれている。
自分の理論が正しかったのだと、実験は成功したのだと。
喜んだのも束の間。
「先生!!脳波に乱れが!!」
「何⁉」
一人の看護師の声が手術室に響いた。
瞬間。
男の身体はまるで波に打ち上げられた魚のように暴れ、むき出しになった眼球は血管が浮き上がる程に真っ赤に染まり、そして口から泡を吹いていた。暴れる彼を押さえつけ鎮静剤を打つ。
が、意味をなさない。
急激に低下する心拍数。