第26章 【呪術廻戦】DOOR【3】
「それではただいまより、頭部切開、脳髄摘出及び、CPG、サイバーピクチャタリーグラウンドの合成手術を行う。よろしくお願いします」
手術着に着替えた硝子の声に、看護師たちは声をそろえた。
そして手術室で手術台に横たわる人間をただ見つめる五条を硝子は見つめる。
「どうした?」
「え?」
「緊張しているのか?」
「まさか」
「頼むよ」
「わかってる。……新しい時代の幕開けを見せてやるよ」
「楽しみだ。では、手術を開始する」
メスを手にした硝子は慣れた手つきで頭部を切開していく。
その横で固唾を飲む五条。
頭部を切開するのにそこまで時間はかからなかった。
「流石だね」
「は?」
「頭部を解剖しても平気そうだ」
「馬鹿にしてんのか?」
「まさか。馬鹿になんてしていないよ」
会話を交わす硝子に看護師は声をかける。
そして再び手術が始まる。
どのくらいの時間が経ったのかなんてわからない。
まるで時間が止まってしまったのではと錯覚するほどに。
その空間は緊張感で満たされていた。