第26章 【呪術廻戦】DOOR【3】
【五条悟/LIMIT】
虎杖が椅子に座ったと同時に。
大広間の扉が開かれた。
白衣を着た女性、家入硝子は仲へと入り彼等を見渡した後ゆっくりと視線を入り口の扉へと移した。
扉の前で突っ立っている人物に声をかける。
「私の担当する患者は全部で5人。紹介するよ。まずこの白髪の男性。彼は5人の中で比較的知的な奴だよ。頭の回転は速い方だね。そしてリーダー格でもある。オレンジ頭の女性。彼女は臆病な性格でね。あまり人と会話をしたがらなかったんだけど、最近はよく話をするようになったよ。次はピンク頭の男性。彼は非常に優しい性格をしていて、よく他の患者の面倒などを見てくれているよ。団子頭の男性。彼は無口であまり自分の事を話したがらないんだ。最後に。ポニーテールの女性。彼女は当初、他の患者よりも少しだけ重症だったんだ。今ではもう回復しているよ」
淡々と5人を紹介する硝子は、ポケットに突っ込んだ手をゆっくりと引き抜いた。
そして扉の前にいる人物に手招きをしたが、一向に入ってくる気配はない。
小さく笑みを零す硝子は、再びポケットの中に手を入れた。
「彼らは毎日数時間、この大広間……ホールと呼ぼうか。このホールで互いに発表を続けることで会話を交わしているんだ。……そんな錯覚に囚われている。続き、見ていくかい?」
外の人物に声をかけ、そして硝子は静かにホールを出て硝子はポケットから煙草を取り出た。
中の様子を窺い、そして咥えた煙草に火をつけ煙を吐いた。