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【雑多】be there【短編集】

第13章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【0】





【プロローグ】



その日は、南から暖かく湿った空気が流れ込み、夕方から土砂降りの雨が地面を濡らした。
エンデヴァー事務所にインターンへ行っていた緑谷、爆豪、轟の3人は夕暮れ時の帰宅中に急な豪雨に見舞われた。
全身濡れながらも走り続けると、今にも崩れてしまいそうな廃屋を発見した。
雨が止むまでの間、彼らは軒下の下で雨宿りをすることになった。

「さっきまで晴れてたのにね……」

雨空を見上げる緑谷の髪の毛先からはポタリ、ポタリと雫が絶え間なく滴る。

「止む様子が無かったら、最悪親父に連絡とって迎えに来てもらうか」

轟は、父親であるエンデヴァーにできれば頼りたくないようだが、友人2人が風邪を引いていしまうくらいならと、手にしていたスマホをぎゅっと握り締めた。

「今もこんだけ濡れてんだ。走って帰っても同じだろうが」

眉間に皺を寄せ舌打ちする爆豪は、ただでさえ苦手な雨で気分が落ちているというのに、これまた苦手な2人と同じ空間に長時間一緒に居続けているというストレスにすこぶる機嫌が悪かった。

「もういい。走って帰る」
「ちょっと待ってかっちゃん!今轟くんが―――」

そう言って爆豪が走り出すのと、目の前が鋭い光に包まれたのは同時だった。

爆発のような轟音が響き渡る。
自分たちのすぐ近くで雷が落ちたと認識したのは、雨の強い音が耳に聞こえてからのことだった。



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