第3章 【爆豪勝己】盲目をつきやぶれ
私とは違う生き物みたいだ。
色素の薄い金色の髪の毛が小さく揺れている。
何か調べ物をしていたのだろう、テーブルの上にはファイリングされた資料が山のように積まれている。
資料を読みながら行き倒れた齢16歳のインターン生はくうくうと小さな寝息を立てている。
閉じた瞼から生える金色の睫毛は室内灯に輝いていて、太陽が当たったら透けてしまうんじゃないかと思ってしまうほど。
きれいだ。
普段の粗暴で乱暴な不良少年の姿はどこにもない。
黙っていればモテるだろうな。
「バクゴー」
呼べど返事はない。
こうしてみると子供なんだなと改めて思うと同時に、子供なのかと少しばかり驚いてしまう。
本人に知られれば目を吊り上げ怒鳴ってくるだろう。
でも、本当に私は驚いているんだ。
まだ高校生で少年で子供なのに、彼の頭は恐ろしいほど明晰に動き身体能力もスタミナもそこらへんにいる下手なプロヒーローより優れている。