第7章 【禪院真希】花吐き病
ジャージに着替えた私は、教室を出ようとした。
が、目の端に真希の席が映って気づいたら座っていた。
自分でも気持ち悪いと思う。
こんな気持ちを抱きながら椅子に座って、嬉しいだなんて。
好きになった人が"普通の人"とは違う。
たったそれだけでどうしてこんなにも苦しくて後ろ指刺されているような気分になるんだろう。
好きになった人がたまたま同性というだけで、誰にも言えない秘密になってしまうんだろう。
苦しい。
何が苦しいんだろう。
辛い。
何が辛いんだろう。
片想いしていることが?
言えないことが?
気付いてもらえないことが?
秘密を持っていることが?
打ち明けられずに、裏切っているような気持ちになるから?
きっと、全部だ。