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【雑多】be there【短編集】

第5章 【山口忠】雨音に





雨の音で目が覚めた。
外を見れば、午前中は晴れていた空が今は雨空へと変貌している。
どうりで少しだけ教室の空気が暗いと思った。
黒板には見知らぬ数式がずらりと並んでいる。
ノートに書き写そうとしたら、ノートには寝ていた時の痕跡が残っている。
口を開けて寝ていたせいでノートの上には涎が溜まっていたのだ。

とりあえずハンカチで拭き取ったけど、勉強する気は失せてしまった。
窓の外。
降り続ける雨をずっと眺めつづける。
地面には水たまりができていた。

今日の部活は中だな。
そんなことを思いながら、さっき寝ていたというのに睡魔が再び襲ってきて、瞳をゆっくりと閉じた。

放課後になっても雨はやむことなく降っている。
部活はやはり学校の中に変更され、今はひたすら筋肉トレーニングをしている。

私、は陸上部に所属しているため、雨が降れば外での練習はできない。
自分に与えられたメニューをひたすらこなす。
今はひたすら体育館のギャラリーを行ったり来たりをしている。
ダッシュ50×5は少しきついけど、楽しいから別に苦痛ではない。



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