第4章 【五条悟】嫌よ嫌よも。【R18】
そっとベッドに横たえられ、リップ音をたてながら唇が離れる。
ねばつく唾液の透明な糸が切れる前にまた重ねられ、はたまらず五条の広い背に手を添えた。
「ふっ……あ、」
が緩く首を降ったので、五条がそっとキスを止めた。
お互いの荒い吐息が重なる距離。
「あの、」
激しい口づけに息も絶え絶えだ。
それでも、熱にうかされたように。
潤った喉で、そっと呟いてみる。
どうしても、この気持ちを伝えたかった。
「ずっと、こうしたかった……」
こんなにも大胆になれるのは、場の雰囲気のせいだろうか。
淡いピンクで照らされる室内。
狭い部屋で、広いベットの上で、お互いに触れあっている。
後ろからじゃなくて、向き合いながら。
背中においた腕をきゅっと彼の首に回すと、五条は苦しげに眉間に皺を寄せ、の顔にキスを落とした。
額に。
瞼に。
鼻に。
頬に。
口角に。
唇に。
一つ一つ、慈しむように。
それが心地よくて、は目を瞑った。
抱き締めるものがなくて拳を握りしめていた時が嘘のようだ。
こんなにも、優しい体温に包まれているだなんて、信じられない。
それでも、の髪を優しくなぜあげる手は紛れもなく本物だ。