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氷が溶けるまで。【中原中也】

第8章 変わる日常


芥川「っく、、、。」

女に負けるなんて思わなかった。


『君の異能力は強い、だけど軸にブレがある。それだと隙が生まれる。』

自身は息切れするほど全力を出したのに、彼女は息すら切れていない。

ましてや異能力も使わずにだ、、、、。

『まずは体幹を鍛えなさい。それじゃあね。』

「っ、、、。」

自然と自身の頬に手をやる。

彼女が立ち去る直前頬に絆創膏を貼られたのだ。


初めてだった、普通に接してもらえたのが。

今まで出会ってきた人間は哀れんだ目、虐げる目で僕を見てきたのに、彼女だけは違ったから。


彼女の云う通りに体幹を鍛えた。
すると驚くほどに変化が見えた。

太宰さんからも褒めてもらえたのだ。

そこからだった。
彼女の言葉にだけは耳を傾けるようになったのは。

そしていつしか彼女に特別な感情を抱くようになった。


然し、彼女は中也を選んだ。

中也には勝てない、頭では判っていても簡単には諦めることができなかった。


芥川は心に決めた。
が中也に悲しい思いをさせられた時は即座に奪うと、、、、。






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