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氷が溶けるまで。【中原中也】

第7章 出会い


あの後すぐ先生たちは戻ってきた。

念の為に仲間の診察もしてくれた。
の異能力のおかげで問題ないとのことだった。

は力を使いすぎたから疲れただけと先生は云っていたが、気になって仕方がなかった。

翌日の様子を見に行った。

『中也!また怪我したの?』

「いや、昨日の礼を云いに来た。手前のおかげで助かった。ありがとな。」

『え、昨日?なんのこと、、、?』

冗談でも云っているのかと思った。
然し、は嘘をついているように見えなかった。

ふと子猫を助けた時、が云っていたことを思い出した。

俺は先生のところへ向かった。


雪平「おや、中也くん。どうしたんだい?」

「先生、昨日のこと覚えてねぇんだ。彼奴の異能力が全員なのか、、、?」

途端に先生の顔つきが真剣になった。
俺はゴクリと唾を呑んだ。



雪平「中也くん、の異能力"氷の再生"はあらゆる生命を蘇らせることができるんだ。」

「蘇らせる、、、。」

雪平「怪我や病気、死んだものも元に戻すことができる。然し代償があるんだ。」

「それが記憶ってことか、、?」

雪平「そうだ。力が強ければ強いほど、記憶がなくなる量も増える。記憶だけではない、感情なども忘れる。だからに能力を使わせたくないんだ。」

「すまなかった、に力を使わせてしまって。」

まさかにそんな力があるなんて、、、。
俺は異能力を使わせてしまったことを先生に謝った。

雪平「中也くんが謝ることじゃない、きっと私がいてもは同じことをしたさ。あの子はとても優しい子だからね。中也くん、の異能力は秘密にしておいてくれるかな?」

先生の云いたいことは何となく判った。

「ああ、勿論だ。誰にも云わない。」


雪平「ありがとう、君は信頼できる。」






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