第2章 再会
紅葉が初めてと出会った日。
は感情というものが全くなく、空っぽだった。
まるで人形のようであった。
紅葉は彼女にたくさんの愛をそそいだ。
中也や太宰が足繁くの元へ通った甲斐もあってか、少しずつ感情を取り戻し、今に至るのだ。
特にに毎日会いに来ていたのは中也だった。
暇ができればを外へ連れ出した。
帰ってくる度、は嬉しそうだった。
そんなが遂に恋を知ったのだ。
中也の想いが報われる日もそう遠くない。
"ふふ、楽しみじゃな。"
コンコンとノック音が鳴る。
相手は予想している。
紅葉「入って善いぞ、中也。」
「失礼します、姐さん。お久しぶりです。」
紅葉「半月もご苦労であったのぉ。」
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紅葉「そうじゃ、主が留守にしている間にに会合に出てもらってのう。」
「なっ////」
そう云い乍ら携帯の画面を俺に見せてきた。
俺は目を見開いた。
そこには恥ずかしそうにこちら見ている。
驚いたのはの姿だ。
群青色の着物を身に纏っているのだから。
の白い肌と美しい髪色にピッタリだ。
あまりの美しさに言葉を失う。
紅葉「あまりの美しさに言葉がでないじゃろ。他の殿方も皆同じ反応じゃったのぉ。」
つまり俺以外の男どもはの着物姿を拝んだということだ。
姐さんはニヤニヤした顔で俺の様子を伺う。
「姐さん、揶揄わないでください。」
当のの姿はない、恐らく奥の部屋で仕事でとしているのだろう。
居なくて善かった。恐らく俺の顔は今真っ赤な筈だから。