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氷が溶けるまで。【中原中也】

第2章 再会


中也と一度別れて、姐さまの執務室へ向かう。


"人を救え、太宰。"

織田作がミミックと対峙に行く直前に私に遺した言葉だ。

あの夜、その言葉を伝えるために太宰さんを必死に探した。
でも見つからなかった。

だけど、その言葉は伝わっているのかもしれない。

だって太宰さんは今探偵社にいるのだから。



中也にキスされた頬を撫でる。

胸がきゅんっと熱くなった。

太宰さんにキスされた時は何も感じなかったのに。


その感情がなんなのかが判らなくて苦しい。


紅葉「おや、。どうしたのかぇ?何かあったか?」

『姐さま、、、。』

姐さまはなんでもお見通しだ。
私は表情が乏しいし、感情もあまりない。
だから悩んでいてもあまり気付かれない。

だけど、長年一緒にいる中也や姐さんにはすぐバレる。

姐さまに話した、このモヤモヤはなんかのかを、、、。


紅葉「ほぅ、そうかぇ。もついに"恋"を知ったか。」

『"恋"ですか、、?でも私判らないです。』

あまりピンと来ない、、、。
だって恋なんて無縁だったから。


紅葉「恋というのは厄介なものじゃ、無理に知ろうとしなかても善い、いずれ判る。」


『そ、そうですか、、。』


紅葉は小さく呟いた。
"中也、主の恋がそろそろ実頃じゃな。"

中也がに恋心を抱いている事は、誰から見ても判る。

だが、はそれに全く気付いていない。

仕方がないことではあるのだ。
は一度心を失ったのだから。



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