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氷が溶けるまで。【中原中也】

第6章 DEAD APPLE


空気が突如冷たくなり、影が現れる。

私の異能だ、、、、。

治癒能力だけならまだしも、こっちの異能であればかなり厄介だ。


「糞っ、どうすりゃいいんだ。」

ここで私は気が付いた、私と中也の異能の影の額に宝石が埋め込まれていることを。


『中也、澁澤って宝石集めてたんだよね?』

「ああ、それが如何した?」

『あの宝石を壊すの、きっとあの宝石が原因だと思う。勘だけど。』

「ふっ。そーいや、姐さんが云ってたな。女の勘ほど当たるものはないとな。だが、どーする?俺たちの異能はかなり厄介だぜ?」


ある作戦を中也に話した。

きっと反対されると思うけど。

「そんな、危険すぎる。第一に絶対に大丈夫って保証ねぇだろ!俺は反対だ。」


『でも、これしか方法がない。』

「ダメだ、手前に何かあったら俺は、、、、。」

中也の手をぎゅっと掴む。

『大丈夫だから、私を信じて。絶対に戻るから。』


「、、、判った。やばいと思ったらすぐ逃げろ。」

『うん、中也も気を付けて。』


絶対に作戦を成功させる。

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の後ろ姿を見つめる。

"どうか無事でいてくれ。"

神なんか信じてないが、こん時だけは神に願った。


俺も持ち場につく。
の作戦はこうだ。

まずが自身の異能と対峙する。隙をついて俺が額の宝石を壊し、の異能を戻す。そしての異能力で俺の異能の動きを止め、宝石を壊すのだ。


の異能"氷の涙"は力加減を間違えると俺の汚濁と同じで、自制できなくなる。死ぬまで力を使い続けることになる。

が少しの力で俺の影を足止めしている間に仕留めなければならない。

ここ数年は"氷の涙"を使うことがなかった。
否、使うことが出来なくなった。

然し、ギルドとの一戦で力を取り戻したのだ。
上手くいく保証はない、なんなら危険でしかない。

だが、の目は力強く俺を見つめていた。

"なら大丈夫だ。"

頭の奥で彼奴の声がした。

彼奴が信じんのに、彼氏の俺が信じないなんて莫迦だ。

俺はを信じた。


「頼むぜ、。」

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