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氷が溶けるまで。【中原中也】

第2章 再会


俺の腕の中にいるは突然のことに唖然とし、頬を抑えている。

無性に腹が立つ、そりゃそうだ。

半月ぶりに再会した好いた女が目の前で他の男に口説かれ、挙句頬にキスをされたのだから。

おまけに相手はあの糞太宰。

「、こっち向け。」

素直にこっちを向くの頬を掴み、糞太宰がキスをした場所に口付けする。


『中也、、、?』

「消毒だ。」

太宰の時と違って、少し顔を赤らめる。

その反応が嬉しくなる。

期待をしてしまう。


『あっ、中也おかえりなさい。』

「おう、ただいま。特になんもなかったか?」

『うん、特には。太宰さんが見つかったことくらいで。』

「ったく、手前も太宰が相手だからって簡単に触れさすな!」


『太宰さんはいつものことだし。』

溜息が出る、は太宰のことを慕っている。

彼奴が消えた日も必死になって探していた。

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あの日は大雨だった。

その頃のは基本は命令通りにしか動かないのだが、この日だけは命令も聞かずに糞太宰を探していたのだ。


「っ!もう帰るぞ、糞太宰は自らの意思でポートマフィアを去ったんだ。」


『だけど、、、、。太宰さんに伝えなきゃ。』

「糞太宰にならまた逢える。彼奴は死なねぇよ。」

『本当、、、?』

ずぶ濡れになり、捨てられた仔犬のような目をする。

小さく、冷え切った身体を抱き締める。


「俺がそばに居る。手前の隣にずっといるから、帰るぞ。」

『中也、、、。』

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「手前糞太宰に伝えなくてよかったのか?」

『うん、また逢える気がするから。』


「何伝えんだよ。」

『まだ云ってるの?』

そう、が太宰に何を伝えるのか教えてくれないのだ。

気になって仕方がない、告白か?

否、に限って、、、。とは思うが判らない。


『ふふ、ほら皆んな待ってるよ。』

ほんの少し微笑み乍ら、俺の手を掴み階段を上がる。

の手は小さく、とても温かかった。



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