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氷が溶けるまで。【中原中也】

第2章 再会


真っ暗闇で、凍りそうな寒さ。

誰かが私に囁く。

"目覚めろ、力を解き放て"

突然、身体中にみなぎる力が制御できずに自身まで凍る。

その瞬間目が覚めた。

『また同じ夢、、、。』
最近よく見る夢だ。

ふと携帯に目がいくと、芥川くんからの着信が入っていたので掛け直す。


芥川くんからの報告を聞き、私は地下牢へ向かった。

"あの人に逢うために。"


「2度目はなくってよ!!」

階段を降りていると聞き覚えのある声が聞こえた。
しかし口調がおかしい。

太宰「やぁ!ちゃん。久しぶりだねぇ」

『お久しぶりです、太宰さん。』

「!!いや、これはだな、、、。」

『判ってる、"また"太宰さんに揶揄われたんでしょ?』

太宰「ふふ、サプライズだよ。それにしてもさらに美しくなったね?すっかり女性だ。」

私の両手を掴み、顔を近づける太宰さん。

距離はかなり近い、遠目から見れば口付けをしている様にも見える。

太宰「ぁあ、美しい人。私と心中をしないかい?」

『お断りします。』

太宰「それは残念だ。また誘うことにしよう!」

片手で私の唇に触れる太宰さん
あと数センチで唇が重なりそうだ、、、。


「いい加減から離れろ、糞太宰っ!!」

突然中也に肩を掴まれ、太宰さんと距離が離れるも、今度は中也の腕の中へ。

太宰「折角ちゃんと感動の再会のキスができそうだったのに!中也のせいで台無しじゃないか!」

「させねぇよ!ったく、もだ!青鯖野郎に簡単に触れさせるなっ!」


太宰「この感じだとまだのようだね?中也??」

「うるせぇ!!手前には関係ねぇだろ!」


『まだってなにが??』

中也に問うもはぐらかされる。


太宰「ふふ、まぁ今日はこれで帰るとするよ。ちゃんまたね?」

隙をついて頬に軽くキスをされる。

「手前ー!!!!!絶対に殺してやるー!!!」




中也の叫び声が地下に響き渡った。




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