第5章 愛しい君。
鏡を前にして、急に恥ずかしくなった、、、。
首筋と胸元に数個赤い印が刻まれている。
中也との先ほどの出来事が鮮明に思い出される。
"っん、。好きだ。"
いつもと違い、色気を含んだ顔に声。
満足そうに印をなぞる時の表情が妖艶だった。
思い出すだけで身体に熱が籠る。
だけど、中也は私を抱かない。
きっと大切にしてくれているのだろう、だけどやっぱり気になる。
"私の身体が汚れているから抱かない"のかもしれないのかと。
記憶にはない、でも私が監禁されていた時の資料を数年前に見た。
首領には止められたが、私も自身を知りたかった。
中也のように運命を受け入れようと思ったからだ。
正直覚えてもいなかったので現実味もない、それに他人事のようにしか感じれなかった。
毎日拷問を繰り返しされていたらしい。
一部黒く塗りつぶされている箇所もあったので、全ては理解できなかったが、拷問の中には性的な暴力もあったようだ。
あの時は何も思わなかったのに、最近はすごく気になるのだ。
"私は汚れている"
頭の中で木霊する。
何度身体を洗っても消えない、気持ちが悪い。
もう一度身体を洗い気持ちを落ち着かせ、任務へ向かう。