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氷が溶けるまで。【中原中也】

第16章 秘密


『え、、、?本当の両親じゃない?』

森「うん、私も驚いた。この事実を知ったのは彼が亡くなってから見つかった遺書に書かれていてね。」

は雪平夫婦の本当の子供ではない。


は生まれて間もない頃、診療所の前に捨てられていたのだ。
手紙と共に、、、

手紙にはこう書かれていた

この子には神のような力があります。
奴らはこの子を探し回ります。
私だけではこの子を守りきれません、どうかこの子だけは守って下さい。
この子に沢山の愛を、、、、。


の異能力のことなど事細かく書かれていた。
赤ん坊である為不確かではあるが、の異能力は引き継がれるものらしいのだ。
現に彼女の母親も亡くなってまもなくこの異能力に目覚めたらしい。

母親が亡くなれば、力は子に受け継がれる。

万が一彼女が亡くなれば、その力はが引き継ぐのだ。

この異能力は膨大なもの、自分よりも何も判らない赤ん坊にこの力があれば都合が良い人間は沢山いる。

自分と一緒にいればが危険だと悟った彼女はを守る為、雪平夫妻に我が子を託した。


を見つけた夫妻は迷うことなく、を娘として育てると決めたのだ。

たくさんの愛情をに注ぎ、育てた。

夫妻は心の底で願った、彼女が生きていることを。

そしていつかに逢って欲しいと、、、、。

しかしその願いは虚しく、が5歳の頃に異能力に目覚めた。

それはの母親が亡くなったということだ。

夫妻はを守り抜くと誓ったのだ。

雪平の遺書にはもしが結婚する時が来たら話して欲しいと書いてあった。


何故ならの子供に力が引き継がれる可能性があるからだ。


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