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氷が溶けるまで。【中原中也】

第16章 秘密


この声は愛しい人の声、、、

慌てて振り返った。

そこにはドレス姿で、片手にヒールを持ち、裸足で肩で息をしているがいた。

「!!」

俺は咄嗟に彼女に抱きついた。

の存在を確かめるように抱き締めた。

『ごめんなさい、中也。ほんとうにごめんなさい。』

「心配かけんじゃねぇ、俺がどれだけ心配したか。もう二度と俺から離れるな!!」

彼女の顎を掴み、深く口付けをする。

『「ん。っふ。ちゅ。ん。」』


彼女の涙が俺の頬も濡らす


暫くして唇を離してやると肩で息をする

は涙を流し乍ら、話し始めた。

の為と思って黙っていたことが善くなかったのだ。

『ごめんなさい、少しでも中也を疑ってしまって、、、。』

「、すまなかった。手前がこれ以上傷つかないようにと思って黙ってた、、、。」

『中也、本当は8年前から私のこと知ってたんだよね?私の両親のことも、、、。』

「ああ」

『教えて欲しい、、、。8年前の私のことも。』

俺は初めから話した。
先生達のこと、出逢った頃ののことを。


『私そんな感じだったんだ、、、。』

「かなりのお転婆娘だったんだぜ?」

時折驚いたりしていたが、大体は静かに俺の話を聞いていた。

「俺がずっと手前のそばにいたのは、先生の約束もあったからだ。だが、俺は手前と出逢った時からずっと惚れてたんだ。だからずっとそばにいた。」

『出逢った時って、、、、』

「8年前からだ。一目惚れってやつか?」

自分で云ってて恥ずかしくなった。

『中也、ありがとう。』

は涙を流し乍ら、嬉しそうに笑っていた。


俺は自身のポケットの中にあるモノを取り出した。


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