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氷が溶けるまで。【中原中也】

第15章 守りたい


「あ?、、、はっ!」

突然目の前の探偵社員共が消え始めた。

やられた、まんまと騙されたのだ。

「幻像の異能力者か、、、」

谷崎「賢治くんが壁を抜いて社長を運び出した。社長も社員もとっくに病院を脱出している。」


芥川「包囲を欺いて社員を逃す為、命を捨てて囮になったか。」

谷崎「命は捨ててない、乱歩さんから伝言を預かってる。」


伝言はこうだった。
5時間以内にウイルスを作った異能力者を捕まえると。

探偵社が社員を囮に差し出すという事は本気だろう。

とりあえず此奴を人質にするしかない。

突然、空気が凍りつくほどの寒さが部屋中に広がった。

まさか、、、。

『異能力、氷の涙。』

目の前に氷の壁が作り出された。

「っ!!」

谷崎「さん!?善かった、、、。何処にいたんですか!!皆んな心配していたんですよ、、、、。」

『谷崎さん、ご心配おかけしてすみません。これであれば15分は足止めできます。』

「!どう言うことだ、説明しろ!」

『中也、ごめんなさい。全部聞いた。本当の異能力のこと、私が自分の両親を殺したこと、、、。』

「なに云ってやがる!手前が殺したんじゃねぇ!!」

『でも私が原因なんでしょ?殺したようなもの。』

「違ぇ!話を聞けっ!!」

『もう誰も私のせいで死なせなくない!!首領と福沢さんは私が助ける。だから少しだけ待って、探偵社と戦わないで。』


「手前、、、どういう意味だ、、、?」

すげぇ胸騒ぎがする、、、。

二度とと逢えない、そんな気がした。


『中也、私に沢山のことを教えてくれて、嘘でも私を、、、好きになってくれてありがとう。』


「嘘でもってどういう意味だっ!!っ!行くなっ!!」


を守ると誓った、絶対離さないと。


壁を殴っても少しヒビが入る程度だ。


芥川たちが応戦するも、氷の壁はびくともしない。



『さようなら。』

彼女は涙を流し乍ら、笑顔でそう云い俺の目の前から立ち去った。



「っ!糞。っー!!!」



俺の叫び声が虚しく部屋中に響き渡った。



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