• テキストサイズ

氷が溶けるまで。【中原中也】

第15章 守りたい


「こんくれぇ疲れてりゃ大丈夫か。」

俺の腕の中でスヤスヤと眠っているの頭を撫でてやる。


昔からは悪夢を見るとよく魘されていた。
そんな時、頭を撫でてやると落ち着くのだ。

ここ最近は悪夢など見ることもなかった。

久しぶりのことで少し吃驚した。

いつも以上に魘され、声をかけてもなかなか起きない。

目覚めたと思えば、俺に飛びついてきた。

身体と声は震え、涙まで流していた。


俺がいなくなる夢、それが凄く怖かったとは云った。

不謹慎だが、嬉しかった。

こんなにも俺を思ってくれているのだから。

を抱き締め、頭を撫でてやりを落ち着かせる。

『中也、愛してる。』

「ああ、俺もだ。愛してる。」

吸い込まれるように唇を重ねる。

舌を絡ませてやるともいつも以上に積極的に絡ませてきた。

さっきもあんだけ抱いたのに、身体はを欲する。

「、手前が欲しい。」

『私も、、中也が欲しい。』



結局、計5回を抱いた。


「俺は手前を置いて死なねぇよ、約束してんだ。あの人と」


スヤスヤと眠るの頬に接吻をし、を抱き締めると自然と瞼が重くなり、俺も眠りについた。



悪夢が現実になろうとしているとはこの時は知る由もなかった。





/ 259ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp