• テキストサイズ

氷が溶けるまで。【中原中也】

第14章 髪飾り


そんなある日のこと。

「、"海"見に行かねぇか?」

『うん、行きたい。』

まさか中也から海に行かないかと云われるなんて思わなかった。


初めての海


皆んなが話してたような楽しい気持ちにはならないけど、波の音が凄く心地善かった。

「綺麗だな。」

中也がポツリと呟いた。

これが"綺麗"と云うことなんだ。

中也の視線は私に向いていることに気づいた。

きっと私に話しかけていると思った。

『うん、綺麗だね。』

暫く2人で海を眺めていた。

中也の顔が少し赤かったことは気付いていたが、あまり気に留めなかった。

実はこの時中也は、に対して綺麗だと云っていたのであった。


「そろそろ陽が沈むタイミングだな」

午前中に任務があったので、海に来れたのは夕方だった。

そろそろ日が沈む頃だ。

さっきまで明るかったのに、数分で暗くなった。

キラキラと光っていた海は陽が沈むと、とても暗くそして静かになった。

暗く、広い海は何処か懐かしく感じた。

昔こんな所にいた気がするからだ。

そんなことを考えていると、中也に手を引かれた。

「か、帰るぞ!暗くなっちまったし!!」

なにかに慌てていたようだった。

そのまま中也にバイクに乗せられて帰った。


私にとっての初めての海は中也とだった。

とても大切な思い出だ。



/ 259ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp