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氷が溶けるまで。【中原中也】

第14章 髪飾り


----現在

『懐かしいね、昔もこんな感じだったよね』

「こんな感じってなんだ?」

『カップルに囲まれてた。』

「あっ、、ああ!そうだったな!!はは、、、。」

途端に様子がおかしくなった中也。

『そう云えば、あの時あんなに慌ててどうしたの?』

「そ、そうだったか!?全然覚えてねぇなー」

中也のこの感じでなんとなく察した。

実はここはデェトスポットで、カップルがイチャつく場所だと太宰さんに教えてもらったのだ。

恐らくだが、あの日もカップルがイチャついていたのだろう。

判りやすく焦る中也が少し可愛いかったので
つい、意地悪をしてしまった。

『もう少し奥へ行かない?』

「いや、此処で善いじゃねぇか!そんな変わんねぇぞ」

必死で私の手を掴む中也。

実はこの奥の岩場が特にカップルがイチャつく場所らしいのだ。

恐らく中也も知っているのであろう。


『どうしたの?そんなに慌てて、、、』

やっと中也も気付いた、に揶揄われていることに。

「手前、、、知ってたな?」

『ふふ、何が、、、?』

「じゃあ教えてやるよ、着いてこい。」

突然中也はの手を引き、岩場へズンズンと進んで行く。


『え?待って、中也っ!!知ってるから!!』

「嘘つくな、知らないって云ってただろ?」

非常に拙い、スイッチが入ってしまった中也は止められない。

中也に引きづられ、岩場に着くとすぐに微かにだが男女の喘ぎ声が聞こえた。

「、ここは恋人がイチャつく場所だ。」

『そ、そうなんだ。じゃあ戻ろ、、、?』

私は岩場から離れようとするも、中也に阻止される。


「何処行きやがる。俺たちも恋人だろ?」

中也は悪い笑みを浮かべていた。


そのまま引かれ、奥へと引き摺り込まれた。






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