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氷が溶けるまで。【中原中也】

第3章 すれ違う思い。


1人車の中で考える。

は俺がいるからポートマフィアに残るわけではない、姐さんや首領がいるからだ。

勿論判っている、判ってはいるのだが、やはり悔しかった。

俺の為にポートマフィアに残ったと云って欲しかった。

ただの嫉妬でしかない。

の目が忘れられない。

あんな目を見たのは初めてだった。


己の嫉妬で、に口付けをした。

さっきの自分をぶん殴りたい。

勢いで告白をしたが、からは答えが返ってくる前にが呼び出された。


のことになると自身を制御できなくなる。

やはり織田作之助でないとダメなのか、、、。

それから俺はを避けた。

からの答えを聞きたくなかった。

逃げたのだ。に拒絶されるのが怖くて。


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最近中也に避けられている。

あの日車から飛び出してから。

きっとすぐに答えられなかったからだ。

鏡花ちゃんのこともあり、なかなか中也と話すタイミングがなかった。

否、それはただの言い訳だ。 中也に拒絶されたくなかったから。


首元のネックレスに触れる。
去年の誕生日に中也から贈られたものだ。

雪の結晶の形をしていて、真ん中に小さなサファイヤが埋め込まれているのだ。

一緒に買い物に出かけた時に、ショーウィンドウ越しに眺めていたのだ。 中也の目の色のようで綺麗だったからだ。


そして誕生日当日、中也から贈られたのはあの時ショーウィンドウで眺めていたネックレスだったのだ。
すごく嬉しくて、ずっと身に付けているものだ。




そして今、私は鏡花ちゃんを奪還するべく目的地へ向かっている。




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