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氷が溶けるまで。【中原中也】

第3章 すれ違う思い。


そういえば、中也とはあの日以来逢っていなかった。

車内はなんとなく気まずかった。

口を開いたのは中也からだった。

「なんで探偵社に行くの断ったんだ?」

『え?中也は探偵社に行って欲しかった、、、?』

「莫迦云え、んな訳ねぇだろ。」

『中也がいるから。それに姐さまや首領もいるし。』

「そうか。」

その後は無言のまま拠点へ着いた。

車から降りようとすると、中也に手を引かれた。

振り向くと目の前には中也の顔。

この光景、以前と同じだ、、、。


そんな呑気なことを考えていると、口付けをされた。

前回と違うのは長く口付けをされていること。

離れようとするも後頭部に手を回されて、離れることができない。


『んっ、ちゅーや。んぅ!』

名前を呼んだ際に少し口を開けると隙間から何かが入ってきた。

中也の舌だ。

『んっ、んぅ。』

逃げてもすぐに絡め取られてしまう。

苦しいのに、もっとと求める自分。

それと同時に中也は何故こんなことをするのかが判らなくて、胸が苦しくなった。

ちゅ。っと音を鳴らし乍ら離れる唇からは、銀色の糸が私達を繋ぐもすぐに切れる。

『どうしてこんな事するの、、、。』

「愛しい人だから。好きなんだ、手前のことが。」

私も中也が好きだ。
でも中也が求めている好きか判らない。

なんて云えばいいのか判らない。

そんなタイミングで着信音が車内に鳴り響く。

私の携帯だった。

着信相手は姐さまからだった。

『ごめん。』

電話を取り、内容を聞く。

中也に事情を話し、私は慌てて姐さまの元へ向かった。


"鏡花ちゃんが探偵社に捕まった"




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