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氷が溶けるまで。【中原中也】

第13章 4年前の任務


---4年前

太宰「ねぇ中也ってさ、ちゃんのこと好き?」

「はぁ!?どういう意味だよ」

太宰「勿論、恋愛対象としてさっ!」

「彼奴は、、、家族のようなもんだ、、、。」

太宰「そうなのかい!?なら君に遠慮する必要もないのだね!」

「ぁあ?遠慮なんかいつもしてねぇだろ!!」

嘘をついた。
のことが好きだ、勿論恋愛対象として。

俺は出会った頃からに惚れていたのだ。


が周りの男から口説かれるようになると太宰と共に排除するようになった。

最初は先生との約束を守る為に、を守ることしか頭になかったが、だんだんと独占欲が出てきた。

のことが好きだと自覚したのは織田作之助の存在だ。

からアイツの話が出ると無性に腹が立った。

がアイツの煙草の匂いが好きだと云えば、俺は煙草を吸い始め、同じ銘柄を吸うようにした。

アイツと飯を食いに行ったと聞けば、それなりの店へを連れて行った。

自然と張り合うようになったのだ。

俺はと男女の仲になりたいとかは思っていなかった。
先生との約束を守るため、を守り抜くと決めていた。

否、実際は怖かった。

少しずつだが、感情を出すようになった。

もし告白をしても、アイツが好きだと振られたらと思うと怖かった。

だから敢えてこの感情を見て見ぬふりをして過ごしてきた。

だが、太宰のさっきの一言でかなり焦った。

太宰もを狙っているのは知っていたが、他の女と違いすぐに手を出さずにいた。

少し安心していたのだ。

然し、自分は恋をするような暇はない。
それに、だって恋をなんて知らないのだから。

そう自分に云い聞かせた。


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