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氷が溶けるまで。【中原中也】

第12章 特別な日


突然の中也からのキスに離れようとするが、腰と後頭部をしっかりと押さえつけられていて離れることができない。

『んぅ、、、ん、ちゅ、や、、んっ!』

「んっ、可愛い。」

貸切だと判っていても恥ずかしいのだ。

中也の胸をトントンと叩くと漸く解放された。

『中也の莫迦、、、、、。』

「いいじゃねぇか。誰もいねぇし、薄暗いし。」

『そういう問題じゃないの!!』

「ふっ、悪かったよ。ほら見るんだろ?」

中也に再び手を引かれ水族館を堪能した。

ずっと行ってみたかった場所に中也と来れて幸せだ。
水族館に行ってみたいと思ったのは、昔みたテレビのCMだった。

キラキラした水槽を悠々と泳ぐ魚たち、それを見ている家族や恋人、友人らしき人達は皆とても楽しそうに見えた。

その時は何故皆んなこんなに楽しそうなのだろう、笑顔なのだろうと不思議に思った。

私も水族館に行ってみれば、この感情を知ることができるのではないかとそんなことを思ったのだ。


実際来てみれば本当にそうだった。
中也といるからかもしれないけど、とても楽しかった。
まだまだ自分の知らない世界があったのだ。


水族館を堪能し、そのまま中也にエスコートしてもらい、ヨコハマで1番の高級ホテルの中にあるレストランへと連れて来られた。

どの料理もとても美味しく、そして夜景がとても綺麗だった。

デザートには小さめのホールケーキが運ばれてきた。

改めて自分は愛されているんだと実感した。

「、誕生日おめでとう。」


『中也、ありがとう。今日は本当に楽しかった。』


「手前が楽しめたんなら善かった!」




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