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氷が溶けるまで。【中原中也】

第12章 特別な日


『っん、、、』

「起きたか?姫さま。」

『おはよう、中也、、?』

目の前には中也。

然し、いつもよりお洒落な格好をしている。


「おはよ、ほら行くぞ!」

『え?、、ちょっと待って!まだ準備、、、』

ひょいっと私をお姫様抱っこする中也。

慌てて抵抗するも、お構いなしに車へ乗せられる。

着いた先は、中也がよく通っている高級ブティック

私はパジャマのままだ、、、。

中也に手を引かれて、店内へ入る。

店員「中原様、お待ちしておりました。」

「此奴に合う服頼むな!」

私はそのまま店員さんに手を引かれ、試着室へと連れて行かれる。

店員「ここで少しお待ちくださいませ!」

遠くから中也と店員さんの声が聞こえた。
暫くすると店員さんは一着のワンピースを持ってきてくれた。

『綺麗、、、。』

袖部分がシースルーになっている真っ白のワンピースだった。

店員「中原様がこれが似合うと!」

店員さんからワンピースを受け取り、着てみる。

店員「とってもお似合いです。さぁ此方へ!」

手を引かれ、ドレッサーの前に座らせられる。

そこでメイクとヘアセットをしてもらった。

店員「本当に素敵です!きっと中原様驚かれますよ!」

踵の低めのヒールとバッグを渡され履き替える。

鏡の前の自分は少し大人っぽく見えた。

店員「中原様、素敵な方ですね。お誕生日だからとびきりお洒落にしてくれと張り切ってご予約をされておられたんですよ!」

『そうなんですか?』

店員「はい、それはそれはとても嬉しそうに!」

なんとなく中也の顔が思い浮かんだ。

その顔はとても愛おしく感じた。


『自慢の彼氏です。』


店員「羨ましい限りです。さぁ、行きましょう!」


『ありがとうございます。』

再び店員さんに手を引かれ、中也の元へと向かった。




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