第10章 快楽と云う名の猛毒。
白石さんからの電話の後すぐ部屋を飛び出した。
"中也を預かった。助けたければ、1人で来い"との事だった。
あの匂いは白石さんだったのだ。
指示された部屋へ向かう。
『中也!』
そこには手を縛られてぐったりしている人影が。
慌てて近寄るが、それは中也ではなく人形だった。
罠だったのだ。
突然人形から煙が出る。
慌てて口を塞ぐもそのまま意識を失った。
中也、、、、。
無事でいて、、、。
-------
此処は何処、、、?
次に目を覚ますと廃工場のような場所だった。
周りには数名の男。
男「目覚めたか?お嬢さん。もう少しで取引相手が来る。っが、まだ時間がある少し楽しもうや」
ドサっと押し倒される。
『離してっ!!』
男「こんな美人滅多にいねぇ、楽しみだ。」
ビリッとドレスの裾を破られ、太ももを触られる。
『っ、い、や。』
まだ意識が朦朧としていて、抵抗ができない。
もうダメだ、、、、。
助けて、中也、、、。
グシャ
男「っく。」
男が倒れると同時に周りにいた物も全員が血を吹き出し倒れた。
突然のことに頭はパニックになる。
??「取引違反ですよ。傷つけずに引き渡すという約束だったというのに。これだから嫌いなのです、金でしか動かないモノは。」
『あ、貴方は誰、、、?』
??「残念です、覚えていないのですね。ぼくのことを。まぁ仕方がありませんね、記憶を失っているのですから。」
『私の事を知っているのですか?私の過去も、、、教えてください!』
??「ええ、勿論。ですが、、、」
グサっ。
『っう、、、。』
突然呼吸が出来なくなり、胸が燃えるように熱くなった。
目線を下にする、、、。
胸にはナイフが刺されていた。
??「まずは貴女を殺してからです。次に目を覚ました時に全て話しましょう。おやすみなさい、ぼくの可愛い、、、」
胸に手をあて、止血しようとするも力が入らない。
身体の体温がどんどん下がっていく、息も出来ない、、、。
今までは"死"が怖いと思ったことはなかったのに、今になって凄く怖くなった。
『中也、、、ごめんなさい、、、。』
そこで再び意識は無くなった。