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氷が溶けるまで。【中原中也】

第9章 初めての感情。


「なんつー面してんだ?」

『だって、、、首領も首領だし、中也も中也よ。』

恐らく首領にはパパ呼びをさせられ、俺にはお嬢と呼ばれたことが不満なのだろう。


「ふっ、仕方ねぇだろ。首領の娘に間違いねぇし、部外者には俺たちが付き合ってる事は内密にと首領に云われてるからよ。」

『もう、、。』

車を数分走らせる。

「ほらよ、着いたぜ。」

『ありがとう、中也。』

あっという間に探偵社に着き、が車から降りようとする。

少し寂しそうなの顔が気になり、手を掴んだ。

『中也、、?』

「さっきの続きは夜に、、、な?」

耳元で囁いてやると、顔を真っ赤にする。

「ふっ、じゃあまた後でな!」

触れるだけの接吻をし、を見送る。

は顔を真っ赤にしたまま、事務所へ戻って行った。


さぁ、俺も仕事をさっさと片付けよう。

今夜も楽しみが待っているのだから、、、。


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中也と別れて、エレベータを待つ。

私の頭の中では、白石さんの顔が浮かんでいた。

とても綺麗な人だった、笑顔も素敵で。
これから中也と一緒に仕事をする人だ。

昔太宰さんが云っていたことを思い出した。

"中也のタイプの女性は気品のある女性だそうだ。"

その言葉がぴったりの人だった。

胸が苦しくなった、、、。

この感情が判らない。


??「おや?、帰ってきたのかい?」

『与謝野先生。はい、戻ってきました。お買い物帰りですか?』

与謝野「そうさ、んっ?どうしたんだい?」

『え?何がですか、、、?』

与謝野「なんか悩んでんのかい?顔に出てるよ。」

無意識に自身の顔に手をやる。


あまり顔に出ないはずなのに、、、。


与謝野「ふっ、アンタは判りやすいねぇ。妾が聞いてやるよ。」



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