第1章 血鬼術【宇髄天元/*】
苦しい圧迫感から次第に快楽が勝り始めたのをきっかけに、宇髄さんの動きが徐々に激しさを増した。
凶暴と化した肉棒から逃げようにも腰を固定されてしまってはそれも叶わず、快楽が全身を突き抜けるかのよう。
「あぁっ!んぁっ、は、う、髄さ!…っ、はげしっ…あんっ」
「円華っ、…その顔、っ派手に、唆る…っく!」
こんなにはしたない声を上げ、恐らく快楽で顔も歪みきっているはずだからあまり見ないで欲しい。
私からしてみれば宇髄さんこそ色気が増していて、いつも余裕な彼が快楽に堪えながら熱い吐息を漏らす表情なんて、なんだか可愛く思えてくる程。
そう思うと宇髄さんに触れたくなった私は両腕を差し伸ばす。それに気付いた彼は奥に欲望を留めたまま腰から手を離し、覆い被さるように上体を落としてくれた。
だが、そのせいで自然と股が開き切り彼の体が更に密着し結合部からぐちゅ、と卑猥な音が響いた。
「んっあぁ!ぁ、…っ!」
「くっつきたかったんじゃねぇの…?」
宇髄さんは目元を緩めて優しく微笑み、私の目元に触れるほどの口付けを落とした。
情事の快楽を互いに求め合うのも好きだけど、中に彼を感じたまま温もりを確かめ合うのも私は好き。
「ん…っ、そ、だけどっ、…宇髄さんは、そーじゃ、ない…?」
抱き付きざまについそんな質問をしてしまった。
宇髄さんとはずっとくっついていたいし、ずっと一緒にいたい。鬼殺隊という死と隣り合わせの環境で、宇髄さんは柱だし私も階級を着々と上げている。
任務だって十二鬼月で無いにしろ油断すれば死ぬ。…その油断からこうなってしまったんだけど…。
急に悲観的になってしまった私は、不安から宇髄さんの首に回す腕に自然と力が入った。
「…んな訳ねぇだろ?…ずっと一緒だ。俺は円華と派手に人生を謳歌する気満々だっつーの」
何か感じ取ったのか、耳元でそう囁く宇髄さんはそっと頭を撫でてくれて、私はそんな一時に安心と嬉しさで心が満たされるようだった。
「ふふ、宇髄さん、…大好き」
「ん、俺も好きだ、円華。
………ところで円華さんよ、安心しきってるところ悪ぃが、もう俺限界なんだわ」
勝手に不安になり、勝手に満たされていた私は、宇髄さんの一言にこの後また鳴くはめになった。