第4章 寝顔【不死川実弥/*】
「あっ、ああ!やっ、だぁ!…そこ!おかし、くっ、ん!あぁ!」
腕を掴み上げた状態で、声を抑える事も出来ない円華はただ一心不乱に喘いでいた。
背中は汗でしっとりと湿り、長い黒髪が散らばって張り付く。
腰をうちつける度に豊乳と尻がゆさゆさと揺れ、後背からの行為で乱れる円華に征服欲が擽られた。
自分の性癖に罪悪感と愉悦感とが入り交じった感情に自然と口角があがって顔を顰めた。
「っ、嫌じゃ、ねェっ、だろ?…ここ、噛み付いて離さねェしなァ」
実弥から見える結合部は互いの粘液でグチュグチュと泡立つ。
律動を早めるとそれに合わせて濡れた音と、円華の喘ぎ声が間隔を短くしていく。
「はっ、さ、ねみ!く…っ、ああ!イ、ちゃっ!あぁっ」
絶頂が近いのか、ヒクヒクと収縮を繰り返し吸い付き、実弥自身にもそれを促す蜜壁に、全身の熱がそこに集まるかのように競り上がり、中で膨張した。
「あぁっ、お!っき…んぁ!あっ、…い、くっ、んあ!──あああぁぁっ!」
「っ、…くっ、はァっ、円華…っ」
中に出したい衝動をギリギリで押さえ込み、歯を食いしばった。
体中の血液と一緒に鋭い快感が全身を駆け抜け、迫り上がる精液にずるりと肉棒を抜き外へと熱を吐き出した。
一際高い嬌声を上げた円華は頭が項垂れ全身から力が抜けたように、余韻で体を痙攣させる。
二人の荒い息遣いが部屋中を包み込んだ。
(顔が見てェ…)
未だ時折跳ねる円華の体をゆっくりと横にし、覆い被さる実弥。
顔に絡みつく髪を避け、掌で頬を包んだ。
薄ら開く眼に涙を溜めて、口の端からは飲み切れなかった唾液がトロリと垂れていた。
それを舐めとるように舌を出した実弥は掬った横から円華の口を塞いだ。
「んっ…、は、ひゃね、ひく…っ」
薄く小さい舌にねっとりと自分の舌を重ね、絡ませ、口の中に差し入れると、円華は口を大きく開きそれを招き入れた。
互いの唾液を交換するかのような熱い口付けに夢中になってしゃぶりつく。
恍惚と揺れるみ空色の瞳から目が離せず、欲望を吐き出したばかりだと言うのに体中の熱がまたそこに集まり始める。
円華も同じなのか、言葉を交わす事なく互いの吐息が熱を含んでいった。