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~たゆたううたかた~【禪院直哉/R-18/短編集】

第5章 ごっこ遊び 【禪院直哉】



『んでな…俺的には、
月曜日、火曜日火曜日、水曜日、金曜日に
しよーかなぁって思ってねんけど?』

もう…滅茶苦茶だ…この人、
世間様のカレンダーも無視し始めてるし。
火曜日の翌日も火曜日にし始めたし。

『せやから…ちゃん、
来週から…よろしゅう頼んだで?』

『ご…ごめんなさい…さん…』

儚げ美人の澪さんに…、
今にも泣いてしまいそうな
そんな顔をされてしまったら…、
私は嫌ですとは…言えなくて…。

その話を…受けてしまったのだが…。

一番…乗り気と言うか…
直哉様の嫁になる事に…積極的な
千夏さんに…任せたら良かったんじゃ…と。

そんな…事を…ぶつぶつと
独り言で漏らしてしまいながら
廊下を歩いていた様で…。

『心の声…駄々洩れなってもーてんで?』

後ろから直哉様に声を掛けられて
今の独り言を聞かれてしまっていた。

『だっておもんないやん…?
お勤めやからしゃーないって
割り切って…お勤めしとる澪ちゃんとも、
俺の嫁になったろってアグレッシブな
千夏ちゃんやら、千夏ちゃんの次に
やる気満々な弥生ちゃんとも違うやん?
自分やる気全然ないし、割り切るほど
この家の…そう言うのに染まってへんし…』

要するに…暇つぶし…か……。

私がそれに積極的じゃないから
私を選んだのだと言う事の様だ。

『またラブホ一緒に行こうや、
ちょっと行きたいラブホあるねんって。
そのラブホ行くんに準備したりせんなんし…』

「ラブホテルに行く準備…ですか?」

そんな物が…あるのだろうか?

今度はどこに連れて行かれるのだろうか?

わからないままに……数日が過ぎて、
直哉様が一緒にラブホテルに行こうと
言っていた日が近付いて来る。

『2人には…遠方の仕事言うてあんねん。
桜ちゃんの件は、知っとるんは
俺と、澪ちゃんと桜ちゃんの姉妹と、
自分だけやで?
あの2人には言うたらへんねん』

直哉のその言葉に、が
はぁっとため息をついて。

「あの2人が私に何も言って来ないので、
そんな事だろうとは思ってましたが…」

『昨日のアレの事…聞かへんの?』

「別に……聞きません…が」

『なんや…おもんな…、
ホンマ自分、俺に
ぜぇ~んぜん、興味ないねんなぁ…』


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