第7章 大切な日 * 緑間真太郎
キッチンへ駆け込んだ俺は、現状を目の当たりにした。
シンクに飛び散ったカップの残骸。
床にこぼれた熱湯。
そして
「し、真ちゃん!」
床にぺたんと座りこんでいる。
指を押さえている様子から、どうやら指を火傷したようだった。
の顔が少し火照ったように見えるのは気のせいかもしれない。
だが、そんなの姿に胸が疼いている自分がいた。
こんな自分を押し込み平然と装う。
俺の心情には気づかず、は普通に会話を続けている。
「……あ、あの、ごめんね。真ちゃんのカップ割っちゃった……」
緑間「……」
無言でに近づく。
「し、真ちゃんやっぱ怒ってる……!?」
……そして喚く(わめく)の手を掴み
ぱくっ…
「真ちゃん!?……!!」
そのまま指を咥えた。
緑間「馬鹿め!なぜ火傷したのにすぐに冷やさないのだよ!」
火傷したら冷やす事が最優先だというのに…
「ご、ごめんなさい。……あの……っ、真ちゃっ……指……っっ」
緑間「!」
こっちは応急処置でしているというのに、いつの間にか目が潤んできている。
プチンッ……!
緑間「……全く……。……折角保っていた理性を切らしてどうするのだよ。」
そして俺は、そのままにキスをした。