【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第2章 出会い
「別になんでも良かったんだ…
進学校行ってるなら風鈴の連中見るのなんて子守りみたいなもんだろうし、自信のある事ならやりやすいかな、って…
まぁ、俺ができるのは単なる環境設定だけどさ。」
「いいんじゃない?私も沙良ちゃんの事は気になってたから。」
ありがとね、梅。
ことははそう言って、柊の隣に座った。
「なーに言ってんだ。当たり前だろ?
俺はこの街の、ありとあらゆる若者にとって頼りになるお兄ちゃんなんだからなぁ。」
相変わらず大きく出るわよね、と呆れて笑うことはに、全くだ、と相槌をうつ柊。
あぁ、やっぱりこいつらといると…
沙良の顔が浮かんだ。
沙良にも…
こんなふうに笑い合ったり、安心して腹を割って話せる仲間ができるといいな。
明日も会いに行こう。
そんな事を思いながら、ことはの淹れてくれたコーヒーに口をつけた。