【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第7章 ※本当の私
『そう…だったんだ。』
「うん。………それにしても」
蘇枋君はグっと距離を縮めた。
「沙良ちゃんの体…素直だね。
気持ち良かった?」
『…っ…そんな事ない。
口…ゆすいでくるっ…』
からかわれている。
蘇枋君の言葉は本気なのか冗談なのかわからない…
洗面所らしき場所まで行くと、歯ブラシやタオル、洗顔や化粧水などがズラリと並んでいた。
ぶくぶくと口をゆすいでいると…
「これ、スッキリするから使うといいよ。」
蘇枋君が現れ、スキンケア用のパウチのような物を指差した。
『何が入ってるの…?これ。』
「マウスウォッシュだよ。メンソールでスッとするんじゃないかな。」
『ありがとう…
蘇枋君は…こういう所…よく来るの?』
入室まで、凄くスマートだった事を思い出した。
こんなマウスウォッシュだって私は初めて見たけれど、蘇枋君は…
手慣れている感じに驚いたが、これだけのルックスと、知的さを兼ね備えた男の子だ。モテないはずがない。
蘇枋君は驚いたように目を見開き、クスっと笑って言った。
「まさか…そういう沙良ちゃんはどうなの?」
『初めて…だから…ソワソワしちゃって…』
部屋に戻ろうとすると
後ろから、フワリと抱きしめられた。
『…っ……』
「嬉しいよ…沙良ちゃんの初めて。
体はもう…どう足掻いても遅いからね…」
『…蘇枋君…………聞いても…いい?』
「どうぞ。」
『……梶君の事…何で…知ってるの…?』
「…………」
ふぅ、とため息をつくと、蘇枋君は口を開いた。
「…薬局にね、用事があったんだ、あの日。
時間は遅かったけれど、電話したら斎藤さんが取りに来ていいって言ってくれて。それで商店街に向かったら、2人が寄り添うように歩いてるのを見てね…」
『…………』
「驚いたよ。梶さんも、あんな柔らかい表情をするんだな、って…2人は付き合っているんだよね?」
『……付き合っては……ないの。』
「そうなの?じゃあ何であんな風に寄り添っていたの?」
『…それは……』
またうまく説明ができない。
「沙良ちゃん…」
私の腕を引き、ベッドに誘導する蘇枋君。
『蘇枋っ…君…』
蘇枋君は私の頭を守りながらベッドに横にし、覆い被さるように口付た。
さっきとは違う乱暴なキス…