第16章 話の整理
おらふの小屋には、大きな体をしたオオカミがいた。
また見たこともない生き物に私は思わずぎょっとしてしまったが、おらふが近付くと途端に甘えたように体をすり寄せている姿を見て、ちょっと可愛く見えた。
「ここに座ってて。最近ハマってるお茶があるんよ」
そう言って私たちを席に案内すると、おらふは奥へと姿を消す。そこでようやく、私は口を開いた。
「あの、私たちはこれから、どこに行くんですか?」
私はぼんじゅうるとおんりーを交互に視線を向けながら訊ねた。杖の修理をしろという話までは聞いていたけれど、その後のことはよく分からなかった。こうして勇者様と出会えたというのに、杖が直っていない。どうしたらいいというのだろう。
「まずは、仲間探しだねぇ。ドズルさんとMENがどこにいるのか分からないんでしょ? おんりー」
とまずはぼんじゅうるが答えておんりーへ質問をする。おんりーは頷いた。
「仲間は全員で五人いるんです。今おらふくんには会えたから、あとは二人ですね」
と話している間に、おらふが温かいお茶を持って戻ってきた。近くにはふわふわと青い妖精が飛んでいて、獣使いというのは妖精も手懐けるものなのだろうかと、私はつい見取れてしまう。
「アレイが淹れてくれたお茶なんよ。ルイボスティーっていうみたい」
とおらふは質素なテーブルにお茶を三つ置いた。おらふのお茶はそこにいる青い妖精のアレイとやらが運んでいて、小さいのに力持ちだということがよく分かる。
「それで、みんなはどうして山にいたん?」
と聞いてきたおらふに、今度は私たちが説明することとなった。聖なる湖のことは知っていたみたいだが、あまり来ることはなかったみたいだ。