第1章 ①ショッピング
ウィーン……
自動ドアが開く……
ショッピングモールの中に入ると、程よく調節された暖房が肌を暖めた。
17号「目的の店はどこだ?」
18号「3階だよ、ファッションのフロア」
17号「よし、行くか。夢子、はぐれないようにお兄ちゃんの手を掴んでろ」
彼はそう言って手を差し出す。
「え!こ、子供じゃないんだから迷子の心配なんてしなくても大丈夫だよ?」
17号「ダメだ、お前は危なっかしいからすぐどっか行くだろ」
「うぅ……」
やや強引に手を引っ張られると、しっかりと握られた。
3人で並んで服屋を目指す。
しかし……
「おいあれ見ろよ……」
「うわっすっげー美人!」
「何!?あのイケメン!ヤバくない?」
「真ん中の小さい子めっちゃカワイー!超絶美少女じゃん!?」
「モデル集団かな?」
周りがこちらを見ている……ものすごく見ている……
自慢の美形の兄と姉だが、並んで歩くととても目立つ。
17号「ん?どうしたんだ夢子」
「ま、周りの視線が気になって……」
17号「またそれか?お前もそろそろ慣れないとダメだぞ」
18号「夢子は可愛いんだからこれくらいで怖がってちゃやってられないわよ?」
17号「まぁ、こいつの事をいやらしい目でジロジロ見る野郎が居ればオレが粉々に消し飛ばすけどな」
18号「当然ね」
「うぅ……」
ふたりはまるで気にしていない様子だが人見知りの夢子は他人に見られるのはいつまで経っても慣れないし恥ずかしい。
前を歩くふたりの背中にくっつくようにして隠れた。