第11章 前進
[ん……と]
どう答えればいいかわからなくてどもってしまう
そんな様子をみかねてなのか
[ ちゃんごめん…嫌だったよね…]
[お祭りは別に……]
しゅんとした顔をしていて悲しそうだった
そんな風にしたいわけではなかったのに
私は慌てて
[ち、違うのっ!]
まさかこんなに大きい声で否定すると思わなかった
[ご…ごめん…!大きい声出して]
[ううん…大丈夫だよぉ]
少し驚いているようだったけど怒ってはいないみたいだ
なんとか言葉を紡ぎだす
[え…とね…この前みたいなことなって迷惑かけてもなって……]
[それにお祭りなんて久々で……]
目を合わせて話せない
挙動不審もいいところだ
本当に私なんかでいいのかって不安しかなかった