第11章 前進
[え…??おま…?お祭り?]
突然の発言で聞き返してしまった
さっきみたいなこと嫌だと言われるものだと思っていたから驚いた
[俺がお祭りの手伝いしているのは知っていると思うんだけどぉ]
[う…うん…]
毎年神社のお祭りがあることは知っている
条くんが出店の手伝いをしていることは聞いていた
その年で偉いなぁと感心してる
[休憩時間中なんだけどちゃんと回りたいなぁと思ってぇ…]
[嫌だったらいいんだけど…]
[もちろん送り迎えはするよぉ]
条くんにこうやって誘われるのは初めてだった
それにお祭りなんて小学生以来かもしれない
中学そんな機会なかったし高校も人混みが苦手で友達に誘われても断っていた
でもどうしてだろう
条くんとなら行ってみたい
けれどこの前みたいな目に遭うとも限らない
迷惑をかけるんじゃないかって
色んな考えが交錯してしまい思いあぐねていた