第11章 前進
[いただきま〜す]
[は〜いどうぞ]
今条くんと一緒に縁側でスイカを食べている
銭湯から上がったあと
常連さんからもらったのでせっかくだから食べないかと誘ってOKをもらったので家に入れたのだ
[おいしい?]
[う…ん…おいしいねぇ]
私が麦茶を渡して話しかける
いつ見ても大きな口を開けて食べるから
なんというか見ていて飽きない
(かわいい…なんかリスみたい)
こうやって条くんと食べるのも恒例になってきていて
最初は晩御飯のおかずをやったりとかだったんだけど
今は普通に私の家でご飯を一緒に食べるようになってきた
私の作った料理も美味しそうに食べてくれるから食べさせ甲斐がある
[条くん…種ついてるよ]
スイカの種が条くんの口元についている
[ん…くちもとぉ…]
スイカで両手が塞がっていて取れなそうだ
[私がとってあげる]
そう言って私は条くんの口元に手を近づけた